【漢方の味のお話】漢方の味は、ほんのり甘いものから、苦み・辛味まで本当に様々です。漢方では、その味によって生薬が作用する「経絡」が異なると考えます。(これも漢方の不思議な所)複雑な働きをする生薬ですが、大雑把にまとめると以下の感じでしょうか。
★酸味:自律神経を司る経絡に入って、引き締めます。・・・ ex酸棗仁
★苦み:心臓や循環器系などに入って、熱を冷まします。・・・ex黄連
★甘味:消化吸収分配系に入って補います。ex大棗、人参
★辛味:呼吸器系や皮膚を司る経絡に入り、発散することで症状を治します。ex辛夷
★鹹味:成長・生殖・老化を司る経絡に作用して生きる力を補います。・・・ex牡蛎
例えば・・・
・胃腸系が弱りやすく夏バテしやすい方には、《甘味》の人参や大棗入りの処方を。
・「心」の熱によるイライラ興奮状態をクールダウンしてくれる《苦み》「黄連」が入った処方は、熱中症にお勧め。
・胃腸系を助ける《甘味》の生薬と、皮膚表面の「寒」を発散させる《辛味》の生薬がたくさん入っている処方は、冷房病に使います。
苦味や辛味は飲みにくさがありますが、効果を引き出すためのものとして服用して頂くと、効き目がしっかり出るのではないかと思います。頑張ってお続けください。

黄耆

「黄耆」と言う生薬が優れものなので、そのお話です。           黄耆はマメ科植物の根で「漢薬の長老」とも言われます。「慢性疲労・つかれやすい・やる気がでない」などの下写真の漢方(双参以外)などに配合されていますが、働きはとても多彩です。                      ①「気」や「血」を作る力をつける。(脾の力)②防御力を高める。(肺の力 ③ストレスに負けない力を高める(肝の力) など。全ての根本治療に役立つ生薬なので「全ての虚」を直しますが、「気虚」の人には必須の生薬です。   たとえば、寝汗や汗かきの「汗」は、気力が落ちて体表を引き締める力がなくて汗が漏れている状態=「気力低下のSOS」と漢方では考えます。       黄耆は、気力を高め、脳の活性を高めて、血流改善し、結果として汗が漏れることを止めます。また黄耆には、老廃物排泄や皮膚細胞活性・皮膚再生の力があるので、アトピーの人の体質改善に使われます。              「偉い生薬だなあ」「中国の人は良く見つけてくれたなあ」と思います。   疲れやすい時には、黄耆の漢方と双参を一緒に飲むと、人参が十分量になり、速攻すると言われています。上手に黄耆を使って頂ければと思います。

漢方薬局 ユクル    (YUCURU)

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